あらすじ
海上自衛隊幹部候補生学校。
江田島に集められた120名の若者たちは、
将来、艦を預かる指揮官になるための訓練を受けている。
その学校に、
元イージス護衛艦艦長・榊原海斗 一等海佐が
首席教官として着任する。
穏やかな口調。
感情を表に出さない態度。
怒鳴ることも、威圧することもない。
だが、
彼の下した評価は覆らない。
「基準は下げない」
それが、部下を失った過去を持つ彼の信念だった。
一方、学校には
情報保全監査を担当する幹部・立花政親 二等海佐が出向してくる。
榊原の過去を知る数少ない人物であり、
同時に彼を守ろうとする存在でもあった。
撃つべきか、撃たないべきか。
守るために、切り捨てる判断は許されるのか。
教育と防諜、理想と現実、組織と個人。
静かな海のそばで、
未来の指揮官たちは選別されていく。
これは戦場の物語ではない。
戦場に立つ前の、もっとも残酷な場所の物語だ。