あらすじ
ライトエルフの姫ラエリアは、ダークエルフの大貴族ラーシェン卿に捕えられ、塔の部屋の金の鳥籠に囚われた。宴の夜、首輪をつけられ歌わされたその声に、卿の息子ザイドは不意をつかれる。
「好きだ」と臆面もなく言い続ける熱血なダークエルフに、ラエリアは最初から惹かれていた。だからこそ、拒み続けた。
やがてラーシェン卿はラエリアを餌に息子を操り始める。「ラエリアが欲しければ、その故国を滅ぼしてこい」——ザイドはその命令に従い、そして黙っていた。
真実を知ったラエリアは歌をやめた。歌わない鳥籠の前で、ザイドは金の支柱をただ握った。
「消えてもいい。ただ一度だけ、そなたを——」
二種族が交わると消滅する、という禁忌を知りながら、それでも覚悟を決めた夜。しかし二人は、消えなかった。
その禁忌は、種族が交わらないようにするための——嘘だった。