あらすじ
2000年代、ガード下でワンカップを握りしめ、何一つ成し遂げられずに人生から逃げ続けた50歳のダメ男・吉雄(ヨタ)。
泥酔して目を覚ますと、そこは人々がスマホを見つめ、AIが人間の仕事を奪う2026年の東京だった。
行き倒れ寸前の彼を拾ったのは、底辺VTuber事務所を立ち上げたばかりの崖っぷち元OL・小林結衣(28)。
AIに仕事を奪われたトラウマから「効率」と「数字」に追われる結衣は、背に腹は代えられず、ヨタに「酒代」をチラつかせて強引にPCの前に座らせる。
「設定? 読めねえよ。なんだこの光る板は……っと」
――ポンッ!(ワンカップを開ける音)
超絶美少女アバター『星屑きらら(17歳)』の口から飛び出したのは、酒焼けしたガラガラ声と、昭和の泥臭い愚痴だった。
大炎上かと思いきや。
「タイパ」や「競争社会」に疲れ果てた令和の若者や、AIに怯える労働者たちに、ヨタの何の計算もない生の言葉がなぜかぶっ刺さってしまう。
「辛けりゃ逃げろ」「人間、美味いメシ食って寝るのが一番の仕事だ」
不器用な底辺男の説教は、ネットの海で異例の大バズりを記録していく。
順風満帆に見えた配信生活。しかしヨタは、結衣の部屋の片隅にある写真立てを見て衝撃を受ける。
彼女はかつて、何度裏切っても自分を見捨てず、親代わりになって世話を焼いてくれた大恩人「小林の兄貴」の孫娘だったのだ。
前世では、誰にも何一つ恩返しができずに死んだ。
だけど今度こそ、絶対に逃げない。
「俺の人生はどうしようもなかった。でも、こいつの人生だけは絶対に潰させねえ!」
これは、時代遅れの不器用なダメ男が、虚像(アバター)の姿で本物の居場所を見つけ、たった一人の恩人を守り抜くまでの胸熱逆転ストーリー。