あらすじ
旧神を祀る村だとは、誰も知らなかった。
辺境の小村ノクトミアで暮らす狩人ルカは、静かな日常の中で、村人たちとささやかな祈りを重ねて生きていた。
だがある夜、宗教国家の討伐隊が村を襲う。旧き加護の残滓を「清める」ために。
村は燃え、祠は砕かれ、守りたかったものは灰になった。
その焼け跡でルカが出会ったのは、村を長く見守っていた忘却と名もなき者の旧神。
彼女は消える直前、自らの神核をルカへ託す。
これは、復讐に酔う英雄の物語ではない。
滅びた村の名を背負い、忘れ去られるはずだった人々の証人として歩き出す、ひとりの少年の神話である。