あらすじ
魔王軍との激戦の中、ひとり敵の侵攻を食い止めて倒れた男は、気づけば肉体を失い、光のような存在になって町の前に立っていた。自分が死んだことを悟りながらも、心に残る唯一の願い――家族に会いたいという想いに導かれ、崩れゆく町を通り抜けて自宅へ向かう。
そこで彼は、夫の死を悟り悲しみに沈む妻と、父の不在に怯える息子の姿を見つける。男の声は本来届かないはずだったが、息子にはその言葉が不思議と届き、父子は最後の対話を交わす。
「強く生きろ。母さんを守れ。」
その言葉を残し、男の体は光となって消えていく。家族を包んだ金色の光は、英雄と呼ばれた男が最後に残した、深い愛と安らぎだった。
光が消えたあとも、その温もりは家族の中に生き続け、息子は父の言葉を胸に、強く生きていく決意を抱くのだった。