あらすじ
【翠蘭帝国。そこは精霊が宿る宝石の輝きが、国家の平穏を左右する世界】
若き宝石管理監レンの仕事は、宝石に命の吐息を吹き込み、生き物としての「精霊」を宿すこと。
厳格な監視騎士ハクに睨まれ、鉄の女官セツに分刻みのスケジュールで管理されながらも、彼女は職人として完璧な仕事を全うしていた。
「この子の輝きは、主様への忠誠ですわ」
妃たちの前で見せるのは、聖女のごとき誠実な職人の貌。
だが、業務終了の鐘が鳴った瞬間、彼女の瞳にはギラついた勝負師の火が宿る!
彼女の頭脳を支配するのは、前世の記憶か、あるいは天性か――「麻雀」という名の究極の盤面。
仕事終わりの宝石トスは精霊にとっての絶叫アトラクション。
没落した下級妃を助けるのは「負けの込んでいる奴に加勢する」勝負師の粋。
劇物のような茶を出す偏屈な茶師は、理想的な「打ち手」としての共犯者。
そして孤独な皇子には、宝石を弾きながら「勝負の理(帝王学)」を叩き込む。
宿命を説く伝統権威「星読み」の陰謀さえも、レンは実力と豪運のツモでねじ伏せていく。
「天に運命を任せるなんて、勝負師失格だわ」
これは、後宮という巨大な盤面を、指先一つで塗り替えていく一人の女職人の、痛快なる後宮逆転ファンタジー!