あらすじ
六つの大国が覇権を争う世界――その中心にある大陸アルカディアは、終わりなき戦争に支配されていた。
戦場では常識が通用しない“歪み”が発生することがある。
空間がねじれ、因果がズレ、死んだはずの兵が再び立ち上がることすらあるという。
その現象は長らく「戦場の偶然」として処理されてきた。
しかし、アルカディア王国の辺境部隊――第七外縁掃討部隊に所属する少年兵
レイン・アークライトだけは、それを“視て”いた。
彼は戦場の流れの中に生じる「断裂点」を認識し、
未来と過去のズレを断片的に把握する異常な感覚を持っていた。
だがその能力は、英雄でも祝福でもない。
ただ“死ぬ確率を少しだけ先に知る呪い”にすぎなかった。
ある日、第七外縁部隊は本来遭遇するはずのない敵と接触する。
それは隣国グレイヴァインでもなく、既知の六大国の軍でもない。
――“戦場そのものが崩れたような存在”。
その瞬間、レインは理解する。
この戦争は人間同士の争いではなく、
もっと深い「世界の構造」に干渉する何かが始まっているのだと。
そして同時に、彼の視界の中で“最悪の未来”が確定する。
これは、掃討部隊の少年が「戦場の歪み」を読み解き、
やがて六大国すら巻き込む戦争の真実へと踏み込んでいく物語。
――そして、世界そのものの“因果”を書き換える戦記である。