あらすじ
六つの大国が覇権を争う世界――アルカディア大陸。
そこでは長きにわたる国家間戦争が続いていたが、その戦いは次第に“人間同士の戦争”という枠を逸脱し始めていた。
戦場では、存在そのものが欠落する異常現象が発生する。
兵士は消え、記録すら残らない。
それは魔術でも兵器でも説明できない、“世界の歪み”だった。
アルカディア王国・第七外郭掃討部隊。
そこは表舞台から切り捨てられた兵士たちが集う最前線の外側。
生還率は低く、任務の多くは記録にすら残らない。
その部隊に、一人の少年がいた。
レイン・アークライト。
名門王家の血を引きながらも、本流から外れた“無名の枝”。
才能にも恵まれず、特別な力も持たない彼は、ただ生き残るために戦場へ立っていた。
しかしある戦場で、彼は“異常”と遭遇する。
空間が欠け、存在が消え、理の通じない敵が出現する戦場の中で、レインは一瞬だけ「未来の断片」を視る力に目覚める。
それは剣技でも魔法でもない。
“因果のズレ”を捉える、理解不能な感覚だった。
一方その裏で、別の戦場には天才と呼ばれる少年――カイザーが存在していた。
圧倒的な才能で戦場を支配する彼は、正統な英雄として世界に選ばれた存在。
無名のレインと、光の象徴カイザー。
二人の進む道は、やがて世界そのものの運命を分けていくことになる。
六大国による戦争の裏で進行する“世界崩壊”。
そして、その先に存在する正体不明の異常存在。
戦争はやがて、人類同士の争いではなく、「世界の理そのもの」との戦いへと変貌していく。
これは、壊れゆく世界で“未来を視てしまった少年”が、運命そのものに抗う物語。