あらすじ

本多幸枝は、十五年前、当時人気絶頂だった映画俳優の棚部隆一と心中事件を起こした。 幸枝の娘・本多奈緒美は、父のことも母のことも心中事件のことも知らず、お祖父さまや、他の人たちに囲まれて平穏で幸福な日々を送っていた。 奈緒美は、お祖父さまの紹介してくれたボーイフレンドの長友達彦に、自分でも常軌を逸した愛情を感じていた。 そんなある日、たまたま出かけたピアノコンサートの会場で、次々と母の昔の知り合いに出会う。 初めて、奈緒美は、母のことに興味を抱き、それと同時に、自分の愛する人が、実は母を知っていたのではないか、という疑念も抱き始める。 そうしているうちに、次々と疑わしいことが起こり、母は、十五年前に、当時の人気俳優の棚部隆一と心中事件を起こしたことを知り、棚部隆一の息子であるタレント瀬戸弘之と知り合う。 瀬戸弘之は奈緒美の友人の柳千賀子とつき合うようになり、それと同時に、同じ大学の生徒である、井上直美が、本多奈緒美の周辺に出没するようになる。 どうしても、母親と愛する長友達彦の関係を知りたい奈緒美は、徐々に過去の呪いの中に落ち込んでいく。 愛する達彦は、母を愛し、母に愛された存在だったのだろうか。 事実は意外なことに、達彦は母を知ってはいたけれど、愛していたわけではなく、十八年の長い年月、奈緒美だけを愛していたことを知る。 その長い年月の愛情に安堵する奈緒美だが、では、本当に、母と達彦との間には、何もなかったのだろうか。 祖父は亡くなり、その葬儀の後、奈緒美と達彦は初めて結ばれようとするのだが。 その時になって初めて、母の心中事件の概要が明らかになり、その事件は、母と棚部隆一が企て、祖父と達彦が実際に手を下した事件だったことが判明する。 それから、十数年後、奈緒美は、もはやどこにもいなくなったような存在の達彦と共に、達彦が戻りたがっていたアメリカに向かう。

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小説を読もう2026/04/23
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