あらすじ
世界は、いずれ滅びると予言された。
魔の王と、その眷属たちによって。
それに抗うことができるのは、ただ一人。
“聖痕”を宿して生まれた者だけだと告げられる。
選ばれた少年ユイルは、何も知らぬまま城へと連れてこられた。
待っていたのは、守られる立場ではなく、
戦うために叩き上げられる日々。
立て。振れ。倒れろ。
それでも、もう一度立て。
教えられることは少ない。
ただ、壊れないように強くなるしかなかった。
そんな中で出会ったのは、
軽く笑いながら剣を振るう少女ミレア。
同じ場所に立っているはずなのに、
強さの意味がどこか違うその存在が、
止まりかけていたユイルの歩みを少しずつ変えていく。
やがて訪れる最初の試練。
“選ばれた”という言葉に見合う力があるのか、
それとも——まだ足りないのか。
答えは、まだ出ない。
それでも、物語は続いていく。
届かなかった剣も、
果たせなかった願いも、
すべては、次の世代へと受け継がれる。
これは、一人では終わらなかった勇者の物語。
『聖痕の系譜』