あらすじ

黄泉の国の偽り姫

~身代わりの私を、死神王は離さない~

捨てられた名前は 夜に溶けて
誰にも呼ばれないまま 落ちていく
冷たい土の匂い 遠ざかる灯り
ここが終わりだと 静かに知った

「代わりでいい」と呟いた声は
闇に吸われて どこにも届かない
愛された記憶など 一つもなくて
ただ いらないものとして生きてきた

それなのに

差し伸べられたのは 冷たいはずの手
なのにどうして こんなにも熱いの
見上げた先にいたのは 死ではなくて
孤独をまとった王だった

「ようやく見つけた」
その一言が 胸を裂く
そんなはずがないと 否定するほど
心は ひどく揺れていく

偽りの私に 価値などない
そう思っていたはずなのに
あなたの瞳だけが 迷いなく告げる
「お前がいい」と

暗闇に 花が咲く
知らなかった こんな色
触れられるたびに ほどけていく
凍っていたはずの心が

捨てられたはずの命が
誰かの光になるなんて
そんな奇跡を 私は知らなかった

それでも今は

もう 戻らない
あの冷たい場所へは帰らない
選ばれなかった少女は
ここで 初めて選ぶ

あなたの隣で 生きることを

死の国は 終わりじゃなかった
すべてを失った先で
ようやく手にした ぬくもり

偽りでもいい
代わりでもいい

それでもあなたが呼ぶのなら

私はきっと 本物になる

永遠に続く この闇の中で
ただ一つ灯る 名を持って

——黄泉の国の王妃として

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アルファポリス
アルファポリス2026/04/23
  • 現在の作品黄泉の国の偽り姫 〜身代わりの私を、死神王は離さない〜