あらすじ
そこは、人としての「心」を削り、世界を焼き尽くす「兵器」を造り出すための実験場。
真っ白な独房に閉じ込められた七歳の少年ヒイロ、そしてイヴとルナ。彼らは過酷な調整と実験の末に、異形なる異能を覚醒させていた。
ヒイロに宿ったのは、感情を殺して生存への最短ルートを演算する『回路』。
だが、その力は強くなるたびに、彼から子供らしい温もりを奪い去っていく。
ある日、彼らの独房の壁が取り払われ、三人の新入り――ロト、サクラ、クロウがやってくる。まだ外の世界の希望を捨てきれず、泣き叫び、理不尽に抗う六歳の彼らに対し、ヒイロたちは絶望への習熟が生んだ「諦め」という名の処世術で、冷徹に突き放すことしかできなかった。
しかし、施設側の悪意は止まらない。
ヒイロたちに命じられたのは、新入りたちが地獄のような「訓練」という名の蹂躙を受ける様を、強化ガラス越しに特等席で眺める『見学』だった。
眼下で泣き叫ぶかつての自分たち。
それを見つめながら、生存を計算し続ける「脳」と、千切れそうなほどに疼く「心」。
これは、地獄に適応してしまった「傑作」たちが、人間としての誇りを取り戻すために死線を潜り抜ける、喪失と反逆のダークファンタジー。