あらすじ

その手記に何が書かれているのか、彼には一生かけてもわからない。 けれど、命を懸けて届ける意味だけは知っていた。 遺跡調査中の崩落事故により、変わり者で偏屈な学者は帰らぬ人となった。 遺されたのは、莫大な遺産と、戦うことしか知らない小さな護衛奴隷の少年。 そして、難解な古代文字でびっしりと埋め尽くされた、一冊の「手記」。 周りの大人たちが冷ややかに遺産を整理して去っていく中、少年は「自由」の身となる。 主人が自分に遺してくれた優しさに報いるため、少年は大きなリュックを背負い、たった一人で森を出た。 目指すは、遥か海を越えた西の大陸にある学術都市・エーベル。 そこに行けば、この手記の価値がわかる賢者がいるという。 右も左もわからない。お金の使い方も、人との接し方も知らない。 それでも、不器用な少年は歩き出す。 これは、主を失った小さな護衛が、世界を知り、誰かの心に触れていく、途方もなく長い旅の記録。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/04/22
  • 現在の作品アルの跡訪い