あらすじ
この宇宙は、神が書き損じたエラーログで満ちている。
論理的に可能なあらゆる文字列を収蔵する『無限図書館』において、意味のある一文を見つける確率は零に等しい。
司書レトは、ただ独り、世界から「無意味」を削ぎ落とす日々を送っていた。
彼の手のひらが触れた本は、青白い光となって霧散する。
周囲から「無能」と嘲笑われようと、彼は指先に残る微かな「熱」――十年間で拾い集めた、たった数枚の「意味の残滓」だけを信じていた。
しかし、支配者ゼノスの理不尽な要求が、停滞した世界を破壊する。
突きつけられた死の宣告。崩壊する図書館。
絶望の淵で、レトは世界のシステムそのものに干渉を始める。
これは、神に放置された欠陥宇宙を「デバッグ」し、本当の物語を取り戻すための、孤独な司書の戦い。