あらすじ
薄々、
もう幼い頃から感じてはいた。
この人は、あたしたちを可愛がってはいなくて
良い母、良い妻 そして、
綺麗で完璧で器用な素敵な女性
である、自分
が可愛くて大好きなんだろうな、と。
だから、外面と家の中でこんなに態度が違うんだろうな、と。
それが明確に
そう、疑いようも無く明確に突き付けられたのが
彼女が七十半ばを過ぎて尚、色呆けした様を
まざまざと見せつけられて、とは。
流石に想像だにしなかったけれど。
権利の裏には責任があり
思いやりを持って互いに譲り合い
必要な礼を尽くさないと
その権利は施行できないんだよ?
いい歳して、それもわからない?
それとも、色呆けと共に脳も呆けたの?
いつ死ぬかわからないから、好きにいきるんだそうだ。
頑張ってきたから、好きに生きる権利があるんだそうだ。
お母さんにはしあわせに生きる権利がある!
恥ずかしいことも、悪いこともしていない!
そう連呼する目の前の老女を見て
嘔吐を堪えた。
表紙は西令草さんからお借りしました。