あらすじ
ダミアンには、ヒーローになるためのすべてが揃っていた。
95%という規格外の|正のエネルギー《ホワイト・エナジー》、圧倒的な力、そして己を証明したいという強烈な渇望。
だが、たった一つだけ問題があった。彼が救おうとしている初恋の少女は、彼からの救いなど求めてはいない――そして、世界そのものが彼を監視しているということだ。
光と闇、二柱の神によって分断された世界。ダミアンの放つ異常なエネルギーは、彼を次代の伝説へと押し上げていく。
しかし、すでに別の道を歩み始めた少女を追いかけ、自分以外のすべてを救おうとする彼を待っていたのは、過酷な現実だった。
プロの暗殺者、腐敗した権力構造、そして死と隣り合わせの学内トーナメント。
それらはダミアンに、ある暗い真実を突きつける。
「最強だからといって、誰かを守れるわけではない」。とりわけ、その『善意』が権力者たちを脅かすほどの力を持つ場合は。
ダミアンに見えていない現実を、冷笑主義の双子の兄、ウェインは冷徹に見透かしていた。
弟のヒロイズムを搾取する大人たち。恐怖によって構築されたシステム。そして、闇の中で蠢く陰謀。
ダミアンのエネルギーが際限なく高まり、他者からの承認を求める渇望が深まるにつれ、「ヒーロー」と「標的」の境界線は曖昧に溶け出していく。
世界は、必ずしも『救済』を求めているわけではない。
時として必要なのは、ただ《《生き抜く》》ことだけだ。