あらすじ
バーチャルネットワーク技術が発展した現代。
人々はVRを通じて、現実と仮想を行き来する生活を当たり前のものとしていた。
その中でも、《Mythos Frontier》は、もう一つの現実”と呼ばれるほどの完成度を誇る大規模MMORPGだった。
生理現象や体調すら再現されたリアリティ、そしてプレイヤー自らが国家を築く「建国システム」により、多くの人々を熱狂させていた。
しかしその世界には、どの国にも属さず、戦場に現れてはすべてを蹂躙する存在がいた。
敵味方の区別なく圧倒的な力で戦場を破壊し尽くすそのプレイヤーは、人々から“災害”と呼ばれていた。
現実世界では、神代依織という一人の少女。
外に出ることを好まず、日常に退屈を感じていた彼女は、誘われたことをきっかけにこのゲームへと没頭していく。
やがてソロプレイを極め、気付けば“災害”と呼ばれる存在となっていた。
ある日、いつものようにログインしようとした彼女の前に、見慣れない異常な表示が現れる。
深く気に留めることなくゲームを開始したその瞬間、意識は途切れ――
次に目を覚ましたとき、そこはゲームの世界だった。
だが、それはこれまでの“ゲーム”とは明らかに異なっていた。
風の感触、匂い、装備の重さ、そして――痛み。
本来再現されるはずのない感覚までもが、現実と同じように存在していた。
異常なまでのリアリティに戸惑いながらも、それを受け入れていく依織。
そして、自らの力がそのまま通用することを確信する。
これは、“災害”と呼ばれた存在が、
現実と化した世界で、再び動き出す物語。