あらすじ
三十二歳の王宮誓約印管理官セレナ・アルヴィスは、婚約証や婚礼証に押される誓約印と台帳を守る仕事に誇りを持っていた。だが『約束だけ守っていればいいの。目立つ花嫁席は私がもらうわ』と笑う二十七歳の義妹ミレイアと、三十五歳の婚約者フェリクスに婚約も王宮の婚礼主任席も奪われ、欠番の婚礼証を見つけた責任まで押しつけられて北辺の誓約庫へ左遷されてしまう。凍てつく辺境で、破られた封蝋に触れた瞬間、誰がどの誓いを偽造し、破り、隠したのかを読み解く【誓印照合】が覚醒。未亡人の年金を奪った欠番の婚礼証、持参金庫から消えた宝飾、偽りの婚約印、そして義妹の華やかな祝宴の裏で進む王宮誓約局の不正。無口な三十五歳の辺境伯アルノー・グレイスナーとともに記録を洗い直すほど、奪われたのは自分の婚約だけではないとわかっていく。もう私は、誰かの代わりに約束を守るだけの人形じゃない。大人の誓約印管理官が台帳と封蝋で人生を取り戻す、お仕事逆転溺愛譚。