あらすじ
「今日限り、お前をこの家の者として認めない」
魔力を持たない「欠陥品」として、実の家族から冷酷に追放された男爵家の次男、ルシア。
行き場を失い、人間界と魔界を隔てる死の荒野で倒れた彼を拾ったのは、魔界を統べる絶対的な存在――氷の魔王、ゼファリアスだった。
「お前は余のものだ。ここで従者として働け」
感情を凍らせ、孤独な王座に君臨し続けてきたゼファリアス。
しかし彼もまた、他者からの魔力供給がなければ命を落とす「魔力枯渇症」という致命的な呪いを抱えていた。
誰かに必要とされたいと願うルシアは、自らの命を削ってでも彼に魔力を捧ぐことを決意する。
だが、ルシアの胸に刻まれた忌まわしい封印が解かれた時、彼が隠し持っていた真の力が覚醒する。
ルシアの正体は、あらゆる魔力を補完する「万色の魔力」を持つ『精霊の愛し子』だった。
互いの欠落を埋め合うように惹かれ合う二人。
やがて彼らは、世界を裏で操る精霊王の巨大な陰謀へと立ち向かっていく――。
冷たい氷の心を溶かす、温かく甘い救済と溺愛のファンタジー。