あらすじ
「二時間の距離は、神様がスープを作るために設定した待ち時間なんだ」
地図からこぼれ落ちそうなほど静かな田舎町で、役場職員として働く実里(みのり)。
そして、県境を越えた大都会で、忙しなく体を鍛えるトレーナーの航太(こうた)。
車で片道二時間という距離に阻まれた二人は、会えない時間の寂しさを「人生に必要な空白」だと自分たちに言い聞かせて過ごしていました。
すれ違う心と重なる孤独。
夜の国道を走る二時間の焦燥と、キッチンで湯気を眺める三分の静寂。
孤独を温め直し、待つことの愛おしさを教えてくれる、心にじんわりと染み渡る物語。