あらすじ

王太子である彼と、公爵令嬢である彼女は、誰もが認める婚約者同士。 人前では距離を保ちながらも、二人は確かに想い合っていた。 ――あの日、“聖女”が現れるまでは。 国と民に求められる存在である聖女。 彼女を拒めば、王太子としての立場は揺らぐ。 そして何より、大切な婚約者を巻き込んでしまう。 だから彼は選んだ。 彼女を守るために、距離を取ることを。 冷たく振る舞い、関係を曖昧にし、あえて突き放す。 それが最善だと信じていた。 だが彼女は、すべてを理解していた。 だからこそ何も言わず、 ただ静かに――婚約解消を申し出た。 「それが殿下のご判断であれば、従います」 彼女は最後まで優しく微笑んでいた。 そして、すべてが終わった後で彼は気づく。 守られていたのは、自分の方だったのだと。 もう遅い。 彼女は今も穏やかに微笑んでいる。 ――その微笑みが、自分に向けられることは、二度とない。

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小説を読もう2026/04/21
  • 現在の作品守るために婚約者を手放した王太子は、彼女がもう戻らないことを後から知る