あらすじ

異世界に転生して三日目。辻占陣《つじうらじん》は2,980円の「水晶」と共に「占い」の看板を掲げた。  客はこない。飢え死にが近い。  元営業マンの前世知識とバーナム効果で少女の相談に乗ると、翌日、町中が「導師様!」と押し寄せた。  商家没落の過去を持つルーリエ・アストレアが共同経営者として現れ、冒険者見習いの少女ミリナが受付になる。占いの館は繁盛する。だがジンの「インチキ」は、神殿の神官長イグナーツに「詐欺師」と断罪された。  公開対決。ジンはコールドリーディングで神官長の袖から神託のカンペを暴き、観衆の手のひら返しでイグナーツを失脚させる。水源を救い、ギルドマスターのダグラスと辺境伯家令オズワルドが味方に加わった。  しかしルーリエが明かす。彼女の商家を潰した真犯人は、神殿の「本体」。そして2,980円の水晶が、本物の光を放ち始める。映像が見えた——隣国の将軍と、王城三階西廊下の後ろ姿。  王都から使者が来た。玉座の前で水晶を覗き、宰相府の内通者シュネル卿を特定。ハラルド三世は笑った。「そなたの『見えぬ』は、神託より正直だ」。  神殿本体——大司教三名が粛清される。ジンは褒美を辞退して町に帰った。凱旋の広場には、勝手に建てられた等身大の銅像。最初に「導師様」と呼んだ老婆が、四十年越しの編みかけマフラーを抱えて笑っていた。  ——夜、館の扉を叩く者がいた。フードの縁から、見覚えのある紋章が覗く。ルーリエの呼吸が、一瞬、止まった。

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カクヨム
カクヨム2026/04/21
  • 現在の作品水晶一つで異世界に飛ばされた俺。食いつなぐためにインチキ占い師やってたら、いつの間にか神の生まれ変わりと言われて銅像が立ちました。