あらすじ

名前は、受け継ぐものだった。記憶も、人物像も、生き方さえも。クローン技術が普及したこの社会では、代々同じ名を襲名し、前の世代の続きとして生きることが当たり前になっている。真綿継もそのひとりだ。定期的にセンターへ通い、記憶の誤差を均す施術を受け、先代から引き継いだ輪の中におさまって暮らしていた。 隣人が、ある日忽然と姿を消した。 挨拶程度しか交わしたことのない相手だった。気にする理由などなかった。それでも真綿継は、空になった郵便受けから目を離せなかった。残された日記のページをめくるうちに、施術では均されない何かが、少しずつ輪郭を持ちはじめる。

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カクヨム
カクヨム2026/04/21
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