あらすじ

1990年代、和歌山の峻険な山々。 そこには、現代のGPSやAI、高速通信からは想像もできない「泥臭くも最先端な」エンジニアたちの戦いがあった。 一週間の山中測量を終えた金曜の夜、主人公を待ち受けるのは、漆黒の峠道でのデータ送信任務。セルラー電話のアンテナ一本に祈りを込め、2400bpsという細い糸を介して、測量データを会社へと飛ばす。 会社では数千万円のUNIXマシンが唸りを上げ、週明けには「魔法の図面」が現場へと先回りして届く——。 創業者の厳格な規律、防水紙の「野帳」に刻む鉛筆の音、そして旅館で握るセガサターンのハンドル。 アナログとデジタルが激しく火花を散らしたDX前夜。 阪神淡路大震災による「地面の移動」という未曾有の事態を乗り越え、何もない空に巨大な一直線を引こうとした男たちの、誇り高き実録・技術者戦記。 「あの頃、通信は間違いなく魔法だった」

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カクヨム
カクヨム2026/04/21
  • 現在の作品2880bpsの祈り ―野帳とシリコンの鉄塔測量戦記―