あらすじ
【実体験に基づく、歪な「再生」の物語】
膝を壊し、生きがいを失い、「鬱」と診断されて閉鎖病棟へ入院した母。
面会室のアクリル板越しに再会した彼女は、かつての衰弱が嘘のように、他人の不幸を「ゴシップ」として消費する怪物に変貌していた。
隣の患者の自殺未遂をマヌケだと嘲笑い、
真面目すぎて壊れた男を「バカねえ」と切り捨てる。
息子である私は、そのデリカシーのない「毒」に辟易し、ただその場から逃げ出したいと願っていた。
しかし、母が放つ全方位への「言葉の爆弾」は、
繊細な絶望に閉じこもっていた患者たちの自意識を、皮肉にも破壊し、解き放っていく。
「あんた、そんなんじゃ死ねないよ」
医者でもカウンセラーでもない、最も無神経な女の言葉によって、
壊れた人々が「生」の泥沼に引き戻されていく数ヶ月の記録。
※実際に著者の母が入院した際の出来事と、退院時に起きた「奇妙な光景」を元に描いています。