あらすじ

やっと、定時退勤できる。 晴れ晴れとした気持ちで、エヴァは朝の空を見上げた。 勇者に不要と言い渡された、その日のことだった。 彼女は勇者パーティの副長。 三年間、糧食も矢も兵卒の名簿も、一人で抱えてきた。 その紙束を、聖女は「子供の工作」と笑った。 流れ着いた辺境の廃村に、見知らぬ男がいた。 隻眼の傭兵団長。 三年前、国境で剣を交えた元敵の男だった。 「飯を食っていけ」 そう言って、彼は粥をよそった。 理由は、問わなかった。 ふと思い出したのは、三年前の戦場の傷のこと。 誰が自分を運んだのか、彼女は知らない。 名簿には、名前が載っていなかった。 彼の左目の傷は、雨の日に疼くのだろうか。

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小説を読もう2026/04/21
  • 現在の作品『なぜ誰もついてこない』―― あなたが全員追放したからですが?