あらすじ
王太子から「陰気でつまらない女」と大勢の前で婚約破棄され、実家からも厄介払いとして辺境へと追放された伯爵令嬢、ルシアン。
王都では「ただそこにいるだけの置物」と蔑まれていた彼女だが、実は物に宿る魔力を読み取る『魔力感応』という特異な力と、類まれな手先の器用さを持っていた。
追放先の辺境伯領で、ルシアンはホコリまみれの地下室と、壊れた大量の「魔導具」の残骸に出会う。
誰の目も気にしなくていい自由な時間の中、彼女はずっと隠してきた「機械いじり」に没頭していく。
錆を落とし、歯車を調整し、死んでいた魔導具に再び命を吹き込む日々。それは、ルシアン自身の凍りついていた心が溶け、自己肯定感を取り戻していく時間でもあった。