あらすじ
「雪月花義経抄」シリーズ第三作。
戦時中の日本で、愛する人と未来を失った一人の女。
死を選んだはずの彼女が目を覚ましたのは、源平争乱のただ中だった。
身寄りも名もない女は、磯禅尼に拾われ、白拍子「静」として生きることになる。
舞うことでしか自分を保てなかった彼女の前に現れたのが、源義経だった。
義経は、静が過去に深い喪失を抱えていることを知りながら、その沈黙ごと受け入れる。
求めすぎず、縛らず、それでも確かに想い合う――
二人の関係は、戦に引き裂かれながら、静かに、しかし確かに深まっていく。