あらすじ

霧に覆われたその王国には二種類の人間がいた。 寿命を代償に魔力を得た短命の人間〈魔従者(ウァルロガ)〉。 その〈魔従者(ウァルロガ)〉を管理する魔力を持たない人間〈支配者(ロード)〉。 彼らはそれぞれ〈魔従者の国〉、〈支配者の国〉と住処を分け、それぞれの王を戴き、穏やかに暮らしていた。 しかし七年前、突如として〈魔従者の国〉の中に家一軒分の小さな領土の〈ひとりの国〉が作られた。一つの国に一人の王を、そのしきたりに従い、文字通りたったひとりの領民である〈魔従者〉に王の称号が与えられた。 彼こそ魔王──何もかもが“特別”な青年だった。 魔王が“特別”と称されるのには理由がある。 まずは魔力。通常〈魔従者〉は寿命を代償にするが、魔王は寿命以外のものを代償にしていた。そのため〈魔従者〉でありながら長命であった。 次に能力の高さ。魔法文明が衰退の一途を辿る今では珍しい魔眼の持ち主で、何マイル先をも見通すことが出来た。 最後に、生き様。言葉を代償にしているため絵によるコミュニケーションを取るが、それ以外にも時計に従った極端に単調な暮らしをするなど奇妙な点がいくつも見られた。魔王には言葉以外にも代償にした何かがあるのだ。 そんな魔王の住む〈ひとりの国〉にひとりの少年がやってくる。彼は〈魔従者の国〉の王子であり、とある事情から魔王が代償にしたものの正体を調べなければならなかったのだ。 最初は不遜な侵入者に眉をひそめる魔王だったが── やがて二人の間に掛け替えのない友情が芽生えていく。

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エブリスタ2026/04/20
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