あらすじ

三十五歳の宿駅記録官クララ・ヴァイスは、王都迎賓館と街道宿駅の通行宿帳を十年守ってきた。だが三十九歳の夫オスカーと、華やかな二十八歳の義妹リディアに迎賓館の帳場も夫も奪われたうえ、消えた冬季救恤便の責任まで押しつけられてしまう。離縁同然で送られた先は、雪峡の奥にある宿場町ノイパス。そこでは宿帳の頁が抜かれ、通行証紙は偽物に差し替えられ、冬を越えるはずの食糧と薪券まで消えていた。路線表、馬蹄鉄の泥、封蝋の銀松印、古い街道記録。記録を洗い直すほど、王都迎賓館と雪峡宿場を結ぶ密輸路と『本物の令嬢』を名乗る義妹の嘘がつながっていく。無口だが毎朝いちばん早い路線表を届けてくれる三十八歳の辺境伯ヨナス・シュネーベルクと宿場を立て直しながら、クララは帳場の影に追いやられてきた自分の人生を取り戻していく。大人の女性が仕事で逆転し、静かな溺愛を手に入れる雪峡再出発譚。

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小説を読もう2026/04/21
  • 現在の作品『煤だらけの宿帳がお似合いね』と夫も席も義妹に奪われた宿駅記録官、通行宿帳で密輸と偽令嬢の嘘を暴き雪峡の辺境伯に溺愛されます