あらすじ

三十三歳の王都穀倉印監査官エルナ・ベルクは、救恤用の小麦袋に押される封印と備蓄帳を管理し、飢えから人々を守る仕事に誇りを持っていた。だが「その鍵、私に譲って」と笑う二十六歳の義妹リーゼと、三十六歳の婚約者ユリウスに職も婚約も横取りされ、王都穀倉局の不正を隠すため北辺侯爵領へ左遷されてしまう。赴任先の雪港シュネーハーフェンでは、備蓄蔵は空に近く、救恤印は偽造され、飢饉帳の一頁まで消えていた。静かな三十五歳の北辺侯爵カイル・ノルデンは、毎朝焼きたてパンを置くだけで多くを語らない。けれど彼の領地を立て直すうちに、エルナは知る。奪われたのは婚約だけではなく、この国が冬を越えるための穀物そのものだったと。もう鍵も席も未来も、誰にも譲らない。大人の監査官が帳簿と封印で領地を救い、自分の居場所を取り戻すお仕事逆転溺愛譚。

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小説を読もう2026/04/21
  • 現在の作品欲しがり義妹に婚約も職も奪われた穀倉印監査官、飢饉帳を洗い直して北辺侯爵に溺愛されます