あらすじ
「また、つまらない石だ」——そう笑われ続けて十年。
鉱山町レグリスの下働きの少年・藤堂リクには、他の誰にも見えない「光」が石の中に見えた。だが鑑定に出せば結果はいつも最下級のGランク。同僚たちには「石ころ拾い」と嘲笑われ、亡き母が遺した擦り切れた手記だけが、リクの唯一の拠り所だった。
十六歳のある夜。廃棄予定のガーネットとペリドット——ただのくすんだ石ころ二つを、リクは町の古びた合成炉にかけた。
予感があった。二つの石の光が、互いを呼び合っていた。
合成の結果は、誰にも予測できないものだった。
Gランク二つから、Eランクの複合武具。合成の常識では、あり得ない。
そしてその奇跡を目撃していた男——合成士ギルドの査定官ヴェルグは、静かに告げる。
「お前の目、何か見えるだろう。——お前の母親が持っていた力だ」
母・カナデが遺した力。誰も持たない瞳、《鑑石眼》。
石の"声"を聴き、ありえない組み合わせから、伝説級の合成を引き出す眼。
石ころ拾いと馬鹿にされてきた少年は、石の声を聴く合成士となり——
やがて、大陸を揺るがす合成の革命を起こしていく。
◆ ゲーム的な合成システム × 詩的な「石との対話」
◆ Gランク素材から伝説級合成品を生む、規格外のカタルシス
◆ 仲間、ライバル、亡き母の遺した謎、そして世界を揺るがす敵
この世に、つまらない石なんてない。
すべての石ころの中に、宇宙がある。