あらすじ

深夜二時。 赤ん坊の泣き声で何度も起き、抱き上げて、揺れて、また泣かれる。 終わりの見えない夜の中で、菜月は少しずつ、自分が母親ではなく「泣き声に反応する装置」みたいだと感じはじめる。 眠い。つらい。もう朝までが遠すぎる。 それでも、泣くたびに抱いた。何度でも、お尻をぽんぽんした。 完璧じゃなくても、やさしい声を出せなくても、この手だけは一度もこの子をひとりにしなかった。 そして二十二年後。 大学の卒業式で、成長した息子の姿を見た菜月は、あの終わらないように思えた夜の先に、たしかに今日がつながっていたことを知る。 眠れない夜を越えてきたすべての人へ。 母であることの孤独と愛を、静かにすくい上げる物語。

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カクヨム
カクヨム2026/04/20
  • 現在の作品朝まで、あと何回