あらすじ
七柱の龍神と結ぶ《龍血の契り》によって、人々が日常的に龍の力を使う世界。
龍の腕で重い荷を運び、翼で空を駆け、鱗で身を守る――龍の力は、もはや人々の暮らしに欠かせない祝福となっていた。
だがその契りには、致命的な代償がある。
龍の力を使いすぎた者は、やがて理性を失い、完全な龍へと変じてしまうのだ。
完全龍化した者は、もう人には戻れない。
家族も名前も理性も失い、ただ暴れ狂う怪物となる。
だから主人公シオンは、そんな“元は人間だった龍”を殺して回っている。
シオンは、史上初めて龍神と契約し、世界に《龍血の契り》を広めた英雄セレナの唯一の弟子だった。
スカーレットの髪を持ち、人の身で龍を斬った最強の女傑。
だがその英雄もまた、契約した龍神との果てに龍へ堕ちた。
我を失う寸前、セレナは最後の契りをシオンへ託す。
それによりシオンだけは、人の理性を保ったまま龍神の力を宿せる存在となった。
だがそれは同時に、いずれ自分自身も龍へ近づいていく呪いでもあった。
師が遺した祝福が、人を龍へ変える呪いなら。
その後始末をするのは、弟子である自分の役目だ。
そう誓い、完全龍化した者を討つ旅を続けるシオン。
だがある日、龍化に侵されながらもなお人として生き残った少女と出会ったことで、彼の信じていた“救えない運命”は揺らぎ始める。
殺すしかないのか。
それとも、まだ救う道はあるのか。
これは、龍に堕ちた英雄の遺志を継いだ弟子が、世界に残された《龍血の契り》の真実に辿り着く物語。