あらすじ
迷宮が世界中に出現してから五十年。
迷宮素材はエネルギー・産業・医療を支える“第二の資源”となり、人類は迷宮と共に生きる時代へと変貌した。
だが、その繁栄の裏で――迷宮は“神々が人間社会に介入するための盤上”でもあった。
十五歳の少年・朝倉翔太は、初めての迷宮入場で“規格外のエラー”を起こし、
黒塗りのジョブと解析不能のスキルを持つ存在として選ばれてしまう。
スキル《卵生成》から生まれたのは、迷宮核の欠片を宿す小さな妖精、フェア。
国家レベルの危険物であり、世界のルールすらねじ曲げる《迷宮術師》(ダンジョンメイジ)の眷属だった。
「翔太様~、目が覚めましたか? 朝ですよ~。お目覚めのチューいりますか~」
幼馴染の八神小恋路は、雷と風を操る希少ジョブ《雷風姫》。
兄の優斗は、翔太の異常性に警戒しつつも、その力を認めざるを得ない。
サイコ気味な祝福妖精が、毎度のように多額のDP借金を積み重ね、
それをどうにかして返済しようとする迷宮術師の“憂鬱”なおまけ付きで、
彼らの日常は大きく軋み始める。
とある迷宮神に選ばれた少年と、迷宮術師の眷属となった妖精。
そして、神々の思惑が再び動き出す。
これは――
“卵売りの商人”の皮を被った規格外の少年が、
迷宮の深層と神々の盤上へと踏み込んでいく物語。