あらすじ
二十三年前、日本各地に突如として出現した異常域――通称ダンジョン。
モンスターを倒し、レベルを上げ、やがて《天職》を得る冒険者は、今や一つの職業として社会に定着していた。
そんな世界で、宮前蓮は最弱だった。
中学三年生、十五歳。
レベル1。天職なし。スキルなし。武器はホームセンターで買った単管パイプ一本。
冒険者登録者のほとんどが最初から持つはずのスキルすら持たない、百人に一人もいない“ハズレ”だった。
初心者向けダンジョンの一階層で、最初のゴブリン一匹にすら歯が立たない。
怖い。痛い。惨めだ。逃げ出したい。
それでも蓮は、登録証を捨てられなかった。
教室の隅で何もできなかった自分に、戻りたくないから。
才能もない。特別な力もない。
あるのは、折れきれない意地だけ。
これは、最底辺から始まる少年が、何度も恐怖に負け、何度も逃げ、それでも少しずつ強くなっていく物語。