あらすじ

王都一の香都セレノア。 この国では、婚約も盟約も戴冠も、すべては“香り”によって記される。 かつて小国の姫だったフィオラは、母を“禁香による王妃殺し”の罪で奪われ、一族も地位も失った。今は身分を隠し、下町の工房で香油や香菓子を作って生きている。 だが彼女には、誰にも知られてはならない力があった。 それは、香りに残る感情や記憶を読み取り、別の形に綴り直す禁じられた香術。 ある夜会で、彼女は“氷の公”と恐れられる若き公爵ルシアンと出会う。 王命で望まぬ婚姻を迫られている彼は、ある事情から婚約者を必要としていた。 一方フィオラもまた、母を陥れた黒幕に近づくには、公爵家に入るしかない。 利害の一致から始まった、偽りの婚約。 けれど、誰よりも冷たいはずの公爵は、香りに敏い彼女の前でだけ、不器用な優しさを見せていく。 宮廷を蝕む“黒香”の陰謀。 香りに封じられた過去の殺意。 そして、愛を知らぬ公爵の胸に、静かに灯る初恋。 これは、香りで運命を綴る姫が、 復讐のための婚約を、本物の愛に変えていく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/04/20
  • 現在の作品香を綴る姫は、冷徹公の偽りの婚約者