あらすじ
北方に位置する魔法王国――そこでは、すべての子供が十歳になると「聖霊審判」を受け、自らを守護する精霊の加護を授かる。
双子の兄・エイリクは、十年に一度しか現れない“光の精霊”に選ばれた。
その瞬間、彼は王国中から祝福され、未来の英雄として魔法団からの勧誘を受ける。
だが――
弟ノクスには、何も現れなかった。
加護なき者。魔力を持たぬ落ちこぼれ。
嘲笑と蔑みの中で、ノクスはただ一人、頭の奥で響く“声”を聞く。
『――主は黒の精霊に選ばれし者』
それは百年に一度現れるという、“禁忌の力”。
歴史の裏で忌み嫌われてきた、世界の理を侵す存在の証だった。
やがて迎える、年に一度の魔法団対抗戦。
未来ある若き魔法使いたちが集うその舞台で、突如として異変が起きる。
魔法団が、次々と壊滅していく――。
背後で暗躍していたのは、王国の裏に潜む謎の組織。
その真の目的はただ一つ、“双子の確保”。
逃げ場を失い、追い詰められたその時。
初めて、二人は“共に”魔法を放つ。
光と闇。相反するはずの力が交わる時、
この世界には存在しないはずの“新たな魔法”が生まれる。
それは祝福か、それとも破滅か。
世界に選ばれた兄と、世界に拒まれた弟。
二人の運命が交差する時、王国の均衡は崩れ始める――。
これは、世界の理を壊す双子の、始まりの物語。