あらすじ
高橋レンは、静かで平穏な一年を望んでいた。目立たず、課題をこなし、余計なトラブルを避ける――それが彼の計画だった。
しかし残念なことに、その計画は藤原ヒナと組まされた瞬間に崩れ去る。
藤原ヒナは、誰もが好きになるタイプの女の子だ。明るくて、頼りになって、いつでも助けようとする――課題でも、お願いごとでも、他人の悩みでも。ただ一つだけ問題がある。彼女は断らない。絶対に。
最初、レンは彼女のことが面倒だと思っていた。
でも、一緒に過ごす時間が増えるにつれて――課題に取り組んだり、放課後に勉強したり、お互いの日常に引き込まれていくうちに――彼女の不思議な一面を無視することが、どんどん難しくなっていく。絶え間ない笑顔と軽やかな笑い声の裏に、どこか腑に落ちないものがある。
そしてレンが一度それに気づいてしまうと、もう止まれなかった。
友人たちの助け(と余計なお節介)もあって、不便なだけだったはずの関係は、あっという間にもっと複雑なものへと変わっていく――ぎこちない瞬間、からかい合う会話、予期せぬ距離の近さ、そしてどう扱えばいいかわからない、高まる緊張感に満ちた何かへと。
問題は、ヒナが自分の本当の気持ちを隠しているということだけじゃない。
レンだけが、それに気づいているということだ。
関われば関わるほど、離れることが難しくなっていく。
賑やかな友情と、深夜の勉強と、ゆっくりと燃え上がる感情に満ちたこの物語の中で、ひとつの問いがふたりの間に漂い続ける。
もしも誰かがいつも笑っているとしたら……
その人が、ついに笑うのをやめたとき、何が起きるのだろう?