あらすじ
「人類は……どこまで愚かなのだ……!」
おれは机を叩き、嘆いた。鈍い音が狭い室内の壁に跳ね返り、すぐに吸い込まれるように消えていった。この地下深く、薄暗いシェルターの中で。
ついに人類は滅亡した。
世界情勢の悪化は静かな、しかし確かな予兆だった。だが、誰も気づきはしなかった。普段から人類の破滅を口にしていた者たちでさえ、それを現実のものとしては見ていなかった。ただ時計の針を回して遊んでいるだけだった。おれのような気づいている者たちはいたが、それを声にしたところで誰にも見向きはされなかっただろう。
各地で紛争が起こり、それが連鎖し、やがて一線を越える者が現れた。
核だ。一発の核兵器は黒い雲を呼び、やがてそれは雨のように世界に降り注いだ。地上は焼かれ、砕かれ、そして沈黙した。