あらすじ
愛なき政略結婚で北境ヴァルグレイ大公家へ送られた伯爵令嬢セレナは、結婚初夜に「君を愛することはない」と告げられる。だが彼女のギフト《帳簿魔法》は、契約、支払い、所有、在庫、改竄の痕跡を色と数字で視る実務向きの能力だった。\n\nその夜のうちに婚姻契約書の改竄と屋敷財政の異常を見抜いたセレナは、白紙婚の花嫁ではなく監査人として辺境に居場所を作り始める。屋敷の赤字、幽霊兵の給与、消える兵糧、王都から流れる偽命令書。数字を追うほど、辺境を食い潰す不正は王国規模へつながっていく。\n\nこれは、武力最強の大公と数字最強の花嫁が、契約結婚から共同統治者へ変わっていく監査再建譚。