あらすじ
幼稚園の砂場。小さな手で一生懸命に、お城を作っていたことと麻美は、一つの約束を交わした。
「いつか、本物の、こんなに大きなお城を一緒に見に行こうね」
それから二十数年。二人はそれぞれの最愛のパートナー、史人とゆうすけに出会い、新しい命を授かり、守るべき家族ができた。
日々の忙(いそが)しさに追われながらも、二人の心の中にずっと大切に残っていたあの日の約束。
まばゆいパールの白に輝く大きな車と、家族全員でゆったり乗れる大きな車。二台の車に分乗した総勢十人の大家族は、緑豊かな山道を抜けて、ついにその場所へとたどり着く。
目の前に広がるのは、かつて砂場で描いた夢がそのまま形になったような、真っ白で美しいお城。
「ねえ、麻美。……やっと来られたね」
「本当だね、ことちゃん。約束、守れたね」
成長した子供たちの賑やかな笑い声に包まれながら、二人の少女の夢が、最高の形で現実になる一日を描いた、温かな番外編。
この物語はフィクションです。
登場する人物、団体、名称、および実際の建物などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。