あらすじ
人口3億人、30の国家がひしめき合う広大な異世界アルカナ。
その中でも「神の子」アルス皇帝が統治するドリア皇国は、最強の一角として君臨していた。
皇国の象徴たるAランクギルド『鳳凰の絆』を陰で支えていたのは、雑用係のアキト・グロリア。
彼は、あまりの神速ゆえに「やっていない」と錯覚されるほどの家事スキルと、食べた者の能力を数倍に跳ね上げる「超バフ料理」で、ギルドメンバーを無敵の英雄へと仕立て上げていた。
追放と崩壊の序曲
しかし、傲慢さに染まったギルドマスター・ガストンは、目に見える武功のないアキトを「寄生虫」と罵り、追放を言い渡す。
「お前の代わりなどいくらでもいる」
その言葉と共に、アキトは身一つでギルドを去る。
だが、彼らは知らなかった。アキトがいなくなったその瞬間から、拠点の結界は綻び、装備は急速に劣化し、そして何より、彼らの身体に馴染んでいた「神の加護(超バフ)」が、砂時計の砂が落ちるように少しずつ、確実に消えていくことを。