あらすじ
「君の功績は社史に刻まれるよ」
そう言って俺を切り捨てた上司の顔が、人生最後の記憶だった。
ブラック企業の「調整役」として、他人の罪を被り、泥を啜り、壊れるまで使い倒された末の過労死。
次に目覚めた時、俺を待っていたのは「おめでとうございます!」という残酷なファンファーレだった。
そこは、異世界の富裕層が対価を払い、異世界人を召喚する「人間ガチャ」の排出口。
排出率0.01%のUR(ウルトラレア)という響きとは裏腹に、魔法も戦闘力もない『人間』は、維持費ばかりかかる「ハズレ景品」として蔑まれる存在だった。
銀貨わずか30枚で肥太った村長に落札され、首筋に奴隷の刻印を刻まれた瞬間、絶望の淵で固有スキルが牙を剥く。
固有スキル:『スキルトランスファー(所有能力転写)』
それは、俺を縛る「所有者」の能力や記憶を、物理接触を通じて強制的に同期(コピー)するバグスキル。
村長が隠し持っていた裏帳簿の在り処、横領のルート、そして村を支配するための汚い知識――。
「俺を所有したことを、一生かけて後悔させてやる」
復讐なんて高尚なものはまだない。あるのは、ただ今日を生き延びるための呪詛。
俺を使い捨ての「部品」として扱ったこの世界を、社畜時代に培った調整術と強奪した能力で、根底からバグらせてやる。