あらすじ
「ごめんなさい。別れたいです」
十一月の豊洲。神谷冬季(25歳)の足元には、季節外れの霜柱が立っていた。
感情が昂れば周囲を凍らせる特異体質。そして何より、彼が持つ強すぎる霊能力は、並の人間が触れれば意識を失ってしまう。婚約者さえ抱きしめられない特異体質が、五年の恋に終止符を打った。
絶望に凍てつく冬季の前に、実家の因習がさらなる無理難題を突きつける。
「婚約解消の騒ぎを防ぐため、この子と結婚しろ」
そこにいたのは、親戚の女子高生・未冬(18歳)。
失恋直後の冬季は、まだ知らない。
目の前の少女が、密かに「ユキさん、いただきまーす!」とガッツポーズしていることも。
そして、彼女が冬季の放つ冷気さえも跳ね除ける、規格外の「力」を宿していることも。
凍えるほどに誠実な青年と、因習さえも「棚からぼた餅」と笑い飛ばすはっちゃけ乙女。
正反対な二人の婚姻届から始まる、鮮烈な「解氷」ラブストーリー。