あらすじ
催眠術に憧れていた。
それが誰かの役に立つものだとは、一度も考えたことがなかった。
ただの興味。
そして少しの、くだらない欲望。
そんなある日、理由も分からないまま――それは“成功”してしまう。
目を見て、指を鳴らすだけ。
それだけで、人の心に触れられるようになった。
最初に使ったのは、幼なじみだった。
その腕にあったのは、隠されていた無数の傷。
気づいてしまった現実は、あまりにも重くて。
そして気づく。
この力は、人を操るためのものではないと。
誰かを救えるかもしれない。
けれど同時に、簡単に壊してしまう。
万能じゃない。
間違えれば、取り返しがつかない。
それでも。
それでも、この手が届くなら――
これは、
“心に触れてしまう力”を持った少年が、
誰かと向き合い続ける物語。