あらすじ
中学生の頃、深夜アニメの放送に一喜一憂し、録画機の不安定な時代にリアルタイム視聴を貫いた男。
彼が転生したのは、不遇な結末で知られるギャルゲー『Sweet Kiss plus』。
それも、最も過酷な運命を辿るヒロイン・小鳥遊妙子の限定ルートだった。
「――妙、今度は僕が君を幸せにする」
中一の春。
朝の陽光の中でベッドに潜り込み、「がおー」と無邪気に笑う幼馴染を抱きしめ、京は誓う。
これから彼女を襲う「発育への誹謗」「最愛の父の事故」「母の難病」……。
ゲーム知識は完全。だが、具体的な日時がわからない。
それでも、赤ん坊の頃から牙を研ぎ続けた「戦友」として、京は運命という名のシナリオを書き換え、彼女を「疎遠」でも「仲良し」でもない、本当の「ハッピーエンド」へと連れ出すために走り出す。
これは、一人の男が「推し」の笑顔を取り戻すためだけに捧げる、執念と純愛の記録。