あらすじ
30歳、独身、恋愛経験ゼロ。
物流倉庫で働く阿久津誠(あくつまこと)は、自分の人生を「モブ」だと諦めていた。
そんな彼を襲った、最悪で最高の災難。
ボランティア帰りにパンダの着ぐるみのチャックが壊れ、脱げなくなったのだ。
途方に暮れながら深夜の山道を運転していた誠は、事故を起こしかけていた一台の車を発見する。
そこにいたのは、高熱を出した息子を抱え、泣き出しそうな瞳をした美人なシングルマザー、奈緒だった。
「あなたは、あの子にとってのヒーローですよ」
無自覚に放ったその一言が、孤独に戦ってきた彼女の心を撃ち抜いてしまう。
自分の価値を「ゼロ」だと思っている男と、
彼に「無限大」の愛を返そうとする親子。
パンダの着ぐるみが繋いだ、不器用で、優しくて、少しだけ突拍子もない家族の物語が今、始まる。