あらすじ
大人しく死ぬか、抵抗して死ぬか。
数多の戦争で戦果を挙げ、契約を果たしてきた傭兵のヴィオに、突如突き付けられた死刑宣告。
だが、彼の口から出たのは、一言だけだった。
『そうか』
死ぬ気はさらさらない、死んでやる理由などない。
その日に部隊を抜け、追手を躱しながら、身を隠す為に、悪しき伝承が残る地へ足を踏み入れた。
怨霊ーーそれが棲まうとされる霊峰で、ヴィオは襲われた。
金と銀の双眸を持つ、伝承でしかない筈の怨霊に。
死闘の果てにヴィオは敗れ、最期を悟った。
だが、目を覚ますと、そこは見知らぬベッドの上だった。
傍らには命を奪い合った女、怨霊がいた。
その正体は、未知なる〈魔法〉を操る大賢者。
彼女は微笑みを浮かべ、こう告げた。
「私の用心棒になりませんか?」
嘗て受けた〈呪い〉を止めたのは、ヴィオが持つ恩寵ーー〈不能〉。
ヴィオがいれば、呪いを消す為の方法を探しにいける。
彼女の願いを聞き、ヴィオも思案する。
追手を躱し続ける事は面倒。
ならばいっそ、別の地へ行くのも悪くない。
利害が一致した二人は契約を結び、近年発見された新大陸へ向かう。
〈魔法文明〉に望みを懸けて。