あらすじ

王宮文書局で働くイリゼは、婚礼を控えた王宮の整理を命じられる。 来月、東翼には新しい女主人――公爵令嬢セラフィナ・アルヴェルが入る。祝うべき婚約。反対する理由など、どこにもない。 だが、先王妃付きの私蔵文書を収めた木箱の底で、イリゼは見覚えのある筆跡の束を見つける。 それは、王太子セヴラン・エルメディアが書き、誰にも送らなかった手紙だった。 幼い頃から、イリゼだけが知っていた小さな癖。 言えなかった言葉。燃やされるはずの紙。 婚礼の前に整理されるのは、部屋や記録だけではない。人が口にしなかった感情もまた、静かに選別されていく。 これは、選ばれなかった女の物語ではない。 選ばずに済む場所へ置かれたまま、それでも消えなかった思いと、誰にも届かなかった言葉の行方は。

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小説を読もう2026/04/19
  • 現在の作品王宮の婚礼の前に、燃やされる手紙がある